つい謝りすぎる…「すみません」が口癖の自分とのやさしい付き合い方

夕方のカフェの窓辺の席で、肩の力を抜いて微笑むカシコが、テーブルの上の青い鳥のワイズと目を合わせている。そばには、くっつけていたスプーンや紙ナプキンを手放しはじめ、ふわりと浮かぶ淡い光のナゾタマ。画像には「また謝りすぎちゃった…」「その『すみません』、『ありがとう』かも」「自分を小さくしなくても、優しさは届く」の文字。 人間関係
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1. 気づけば、今日も「すみません」と言っていた

夕方。
カフェの席で、カシコは小さくため息をついた。
さっきの自分のことを、思い返している。

注文を取りに来た店員さんと、タイミングがかぶった。
ぶつかってもいないのに、口から出たのは――

カシコあ、すみません!

そういえば、今日は何回これを言っただろう。
道で人とすれ違うとき。
質問をするとき。
相手が間違えたときですら、なぜか自分が。

カシコ……すみません、すみませんって。
私、一日に何回謝ってるんだろ
カシコべつに、悪いことしてないのに。
なんか、何かあると、
“私が悪いのかな”って、先に思っちゃうんだよね
カシコ……ていうか、
相手がちょっと困った顔をすると、
私が何かしちゃったのかなって、
すぐ不安になっちゃうんだ
カシコ先に謝っておけば、
その場の空気が、悪くならない気がして

そのとき、テーブルの上に、
小さな球体がころんと現れた。
まわりのものを、ぺたぺたと自分にくっつけて、
少しずつ、重たそうにふくらんでいく。

(ナゾタマが、「また私が悪いのかな」と、何でも抱えこんでいる)

ワイズおや。
ずいぶん、いろいろ抱えこんでるナゾタマだねぇ

ミルクポットの横に、ちょこんとワイズがいた。

カシコワイズ……。
私さ、つい謝りすぎちゃうんだよね。
“すみません”が、口癖になってて
ワイズふむふむ。
じゃあ、その”すみません”の中身、
ちょっと一緒に、のぞいてみようか

2. 「謝れること」は、責めなくていい

ワイズまずね、ひとつ言わせて。
すぐ謝れるのって、
ほんとは、すごくいいことなんだよ
カシコえっ。
でも、謝りすぎって、
自信なさそうに見えるし……
ワイズうーん、そう思っちゃうよね。
でもさ、考えてみて。
謝れる人って、
“相手の気持ちを考えられる人”でしょ
カシコ相手の、気持ち……
ワイズうん。
“自分のせいで、相手が嫌な思いをしてないかな”
って、ちゃんと想像できる
ワイズそれは、優しさなんだ。
誰にでも、できることじゃないよ
カシコ……そっか。
謝れること自体は、
悪いことじゃないんだ
ワイズそうそう。
だからね、これから話すのは、
“謝るのをやめよう”って話じゃない
ワイズその優しさは、そのままに。
ただ、”向ける先”を、
ちょっとだけ整理する話なんだ
  • すぐ謝れるのは、相手の気持ちを想像できる優しさ。やめる必要はない。

3. 何でも自分のせいにしなくて、いい

カシコ向ける先……?
ワイズうん。
カシコの”すみません”はね、
たぶん、二種類まざってるんだ
カシコ二種類?
ワイズひとつは、
“本当に自分に非があるとき”の、すみません。
これは、ちゃんと意味のある謝罪
ワイズでも、もうひとつは、
“べつに悪くないのに、反射で出ちゃう”
すみません
カシコあ……。
さっきの、ぶつかってもないのに、
“すみません”って言ったやつ
ワイズそうそう。
その反射のほうがね、
“何でも自分のせいにするクセ”に
つながってることがあるんだ
ワイズしかもそれ、
“自分が悪い”って思ってるというより、
“先に謝って、場を丸くしたい”って、
気持ちのことも多いんだよ
カシコ……あ。
たしかに、悪いと思ってるっていうより、
空気を壊したくなくて、
先に頭を下げてる感じかも
ワイズうん。
それってね、
自分をちょっと小さくして、
その場を守ろうとしてるんだ
カシコ何でも、自分のせい……
ワイズうん。
何かうまくいかないと、
“私が悪かったのかな”って、
まず自分のカゴに入れちゃう

カシコは、テーブルの上のナゾタマを見た。
まわりのものを、何でもかんでも、
自分にくっつけて、重たくなっている。

ワイズでもね、
世の中のことって、
カシコ一人のせいで起きてるわけじゃない
ワイズ相手の都合、タイミング、たまたま。
いろんなものが、まざってる
ワイズ全部を自分のカゴに入れてたら、
そりゃ、重たくなっちゃうよ
カシコ……たしかに。
気づいたら、何でも背負ってたかも
「相手の都合」「タイミング」「たまたま」と書かれた荷物まで大きなカゴに詰めこみ、重そうに抱えてよろけるカシコ。カゴの中には角砂糖やスプーン、紙ナプキンをくっつけたナゾタマがのり、足もとで青い鳥のワイズが見上げている。

4. その「すみません」、本当は「ありがとう」かも

カシコでも、反射で出ちゃうのは、
どうすればいいの?
ワイズいい質問だね。
じつはね、ちょっとした
“見方の変え方”があるんだ
ワイズ“すみません”って言いそうになったら、
一回だけ、考えてみる。
“これ、ありがとうじゃない?”って
カシコすみませんを、ありがとうに……?
ワイズうん。
たとえばさ

📌 こんな場面で、言い換えられる。

ワイズ席をゆずってもらったとき。
“すみません” → “ありがとうございます”
ワイズ待たせちゃったかな、ってとき。
“すみません、お待たせして” → “待っててくれて、ありがとう”
ワイズ助けてもらったとき。
“すみません” → “助かりました、ありがとう”
カシコあ……
ほんとだ。
“すみません”って言ってた場面、
けっこう、”ありがとう”でいけるんだ
昼のバスの車内で席をゆずってもらう場面の2コマ。左は「すみません…」と小さく頭を下げるカシコ、右は「ありがとうございます」と笑顔で相手を見るカシコ。どちらのコマでも、ゆずった人が空いた席を手で示して微笑んでいる。
ワイズでしょ。
“すみません”が必要な場面も、もちろんある。
でもね、感謝で返せる場面まで謝罪にすると、
カシコが少しずつ、自分を小さくしちゃうんだ
ワイズ“ありがとう”は、
相手のしてくれたことに、
そっと光を当てる言葉。
同じ場面でも、お互い、ちょっとあったかいんだ
カシコ言われた相手も、
謝られるより、感謝されたほうが、
うれしいかもね
ワイズそうなんだよ。
だから、これはね、
自分のためでもあり、相手のためでもある

📝 「すみません」を「ありがとう」に言い換える

  • 席をゆずってもらったとき:「すみません」→「ありがとうございます」
  • 待たせちゃったかな、ってとき:「すみません、お待たせして」→「待っててくれて、ありがとう」
  • 助けてもらったとき:「すみません」→「助かりました、ありがとう」

5. 自分を小さくしなくても、優しさは届く

カシコは、テーブルの上のナゾタマに、そっと目をやった。

何でも抱えこんで、重たくなっていた球体が、
くっつけていたものを、ひとつ、またひとつと、
静かに手放しはじめている。

カシコ……私さ、
ずっと、謝りすぎる自分が、
ダメだと思ってたんだ
ワイズうん
カシコでも、ほんとは、
謝りたかったというより……
自分をちょっと小さくして、
場を丸くしようとしてたのかも
ワイズうん。
でもね、カシコが小さくならなくても、
優しさは、ちゃんと届けられるんだよ
カシコ……そっか。
謝らなくても、”ありがとう”で、
相手を大事にできるんだね
ワイズそういうこと。
自分を下げなくても、いいんだ

そう言われて、カシコは、ふっと肩の力が抜けた。
ずっと、頭を下げていないと、
その場にいちゃいけない気がしていた。

(ナゾタマは、消えてはいない。
でも、抱えこんだものを手放して、
ずいぶん軽く、ふわりと浮かんでいた)


ここまで読んでくださった、あなたへ。

「気づけば、いつも”すみません”と言っている」
「何かあると、まず”自分が悪いのかな”と思ってしまう」

そんなふうに、つい謝りすぎてしまうカシコの姿に、
心当たりがあった方も、いるかもしれません。

でも、大丈夫。
謝りすぎてしまうのは、あなたが弱いからではありません。

  • すぐ謝れるのは、相手の気持ちを想像できる優しさ
  • 何でも自分のせいにして、自分を小さくしてまで場を守らなくていい
  • 「ありがとう」は、相手を大事にしながら、自分を責めすぎない言葉

謝れる優しさは、そのままでいいんです。
できるのは、ほんの小さなことだけ。

  • 1「すみません」と言いそうになったら、一度だけ「これ、ありがとうじゃない?」と考える
  • 2「先に謝って場を守ろうとしてないかな」と、自分の気持ちをのぞいてみる
  • 3本当に自分に非があるときだけ、ちゃんと謝る。それ以外は、感謝で返してみる

つい謝りすぎてしまうのは、あなたが人を思いやれる証拠です。

自分を小さくしなくても、「ありがとう」で、優しさはちゃんと届けられます。

あなたのナゾタマも、無理に消さなくていい。
抱えこんだものを、ひとつずつ手放していけたら、それで十分です。


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