やりたいことの見つけ方

カフェのテーブルでノートを開き、頬に手を当てて考え込むカシコと、向かいに座って励ますように指を差す青い鳥ワイズ。ふんわりとした疑問符が空中に浮かんでいる。 自己分析・将来

ある夜、仕事から帰ったカシコはソファに沈み込み、スマホをなんとなくスクロールしていた。

カシコ:「……あーあ。」

タイムラインに流れてくるのは、新しい趣味を始めた友人の投稿、夢に向かって走っている同期の近況、充実した週末の写真たち。

カシコ(心の声):「みんな、やりたいことを見つけて輝いてる。私は……何がしたいんだろう。仕事は安定してるし、生活も悪くない。なのに、なんかぽっかりしてる。」

スマホを置いて天井を見上げた瞬間、部屋の中にもやもやとした球体がふわりと現れた。

ナゾタマ発生!
【やりたいことがわからない】

ぼんやりとした淡い灰色。形がはっきりしない、輪郭のあいまいなナゾタマだった。まるでカシコの頭の中そのもののように、ゆらゆらと揺れている。

カシコ:「うわ……これ、ずっと頭の中にあったやつだ。」

そこへ、窓の外からワイズがひょいと飛び込んできた。

ワイズ:「やれやれ、久しぶりに大きめのナゾタマだね。カシコ、また悩んでるの?」

カシコ:「悩んでる……っていうか、悩みの形もわからないんだよね。何がしたいかわからない、っていう、ぼんやりした感じ。」

ワイズ:「ふむふむ。やりたいことがわからない、か。実はね、それってとてもよくある悩みなんだよ。」

カシコ:「えっ、そうなの?私だけかと思ってた。」

ワイズ:「全然。むしろ、ちゃんと向き合おうとしてる証拠だよ。じゃあ、一緒に考えていこうか。」

1. 「やりたいこと」は、過去の中にヒントがある

カシコ:「でも、どこから始めればいいの?頭の中を探しても、何も出てこないんだよ。」

ワイズ:「いきなり”やりたいこと”を探そうとするから詰まるんだよ。まず、過去を振り返ってみて。子どもの頃や学生時代に、夢中になってたことって何かある?」

カシコ:「うーん……昆虫採集とか、図鑑を読むのが好きだったかな。あと、学校のプロジェクトでみんなと一緒に何かを達成したとき、すごく充実した気がしてた。」

ワイズ:「それ、すごく大事な手がかりだよ。」

カシコ:「え、昆虫が?」

ワイズ:「昆虫そのものじゃなくて、”何かを深く調べる”とか”発見する”という感覚が好きだった、ってこと。それと、一人でやるより”みんなで達成する”ときに充実感を感じた、んだよね。」

カシコ:「……あ、言われてみたら。一人でもくもく作業するのって、正直ちょっと苦手かも。」

ワイズ:「そういうことが分かるだけで、やりたいことを探す方向が絞れてくるんだよ。”人と関わりながら、何かを掘り下げていく”仕事や活動の中に、カシコのやりたいことが眠ってる可能性が高い。」

カシコ:「……なんか、頭の中がもやもやしてたものが、少しだけ輪郭を持ってきた気がする。」

ナゾタマがわずかに揺れた。形が少しだけ、まとまってきた気がする。

2. 「やりたくないこと」から逆算する

しばらくして、カシコは久しぶりに旧友のアオイと会った。学生時代から行動力があり、今では自分で事業を立ち上げて充実した日々を送っているアオイ。

アオイ:「カシコ、最近どう?何か新しいこと始めた?」

カシコ:「うーん……特に何も。毎日仕事と家の往復かな。」

アオイ:「そっか!何か挑戦してみたら?前に言ってたこととか。」

カシコ:「挑戦か……うん、考えてみる。」

その場では軽く流したカシコだったが、家に帰ってからもアオイの言葉が頭に残っていた。

カシコ:「挑戦、ね……でも何を?やっぱりわからない。」

ワイズ:「カシコ、こんな考え方はどうかな。”やりたいこと”を探すんじゃなくて、”やりたくないこと”を先に明確にしてみる。」

カシコ:「やりたくないこと……?」

ワイズ:「やりたいことは抽象的で見つけにくい。でも、やりたくないことは意外と具体的に出てくるんだよ。」

カシコ:「……ちょっと、イメージがつかないかも。」

ワイズ:「レストランで”何が食べたいかわからない”とき、”お肉は今日じゃない、揚げ物も重い”って外していくと、だんだん決まってくるでしょ。やりたいことも、あれと同じ感覚だよ。」

カシコ:「……えーと、ずっと座りっぱなしで数字だけ相手にする仕事は、なんか息が詰まりそう。あと、全部一人でやる仕事も、さっき気づいたけど、向いてなさそう。」

ワイズ:「そうやって”避けたいこと”を消していくと、自然と残るものが見えてくる。消去法で残ったものが、カシコが関心を持てる可能性の高いことだよ。」

カシコ:「……逆から考えるって、こんなにやりやすいんだ。なんか、さっきより少しだけ”方向”が見えてきた気がする。」

ワイズ:「いいね。ちなみに、絶対嫌なことは3つくらいすぐ出てきたんじゃない?」

カシコ:「出た出た!あと毎日同じことの繰り返しも嫌かも。変化がある方が好き。」

ワイズ:「それも大切なヒントだよ。」

ナゾタマの色が、少しだけ明るくなった。

3. 「思ってたのと違った」は失敗じゃない

カシコ:「ワイズ、実は少し前に気になってたことを試してみたんだけど……正直、思ってたのと違ったんだよね。」

ワイズ:「どんな風に違った?」

カシコ:「内容自体は面白そうって思ってたんだけど、いざやってみたら、その場の雰囲気とか進め方が自分には合わなくて……なんか、無駄だったかなって。」

ワイズ:「それ、全然無駄じゃないよ。むしろすごく大事な情報を手に入れたんだ。」

カシコ:「え?失敗したんじゃなくて?」

ワイズ:「”内容は好きだったけど、環境が合わなかった”って分かったんでしょ。それって、”同じ内容を別の形で試せば合うかも”というヒントだよ。」

カシコ:「……あ、そうか。内容が嫌いになったわけじゃないから、やり方や場所を変えれば続けられるかも。」

ワイズ:「そう。やりたいことを見つける旅は、試行錯誤の連続なんだよ。”違った”という経験は、何もしなかった人には絶対に得られない財産だ。」

カシコ:「……”違った”を失敗じゃなくて、学びとして受け取ればいいんだね。」

少し間があった。カシコはゆっくりとソファに深く座り直した。

カシコ:「なんか……やりたいことって、どこかに答えがあって、見つければ終わり、じゃないんだね。試しながら、だんだんわかってくる感じ。」

ワイズ:「そういうこと。ある日突然ひらめくものじゃなくて、自分を知り、試し、”違う”を積み重ねながら、だんだん形になっていくものなんだよ。」

カシコ:「……なんか、焦らなくていいんだってわかったら、少し楽になった。」

📍ナゾタマ、消えた

ふと気づくと、さっきまでぼんやりと漂っていたナゾタマが、輪郭をくっきりとさせながら、じわじわと小さくなっていく。

カシコ:「あっ……ナゾタマが!」

ナゾタマはくるりと一回転して、やがて光の粒になって消えていった。

カシコ:「消えた……!」

ワイズ:「”やりたいことがわからない”という霧が、少し晴れてきたからだよ。答えが出たわけじゃなくても、向き合い方がわかると、ナゾタマはちゃんと小さくなっていくんだ。」

カシコ:「……うん。まだぼんやりしてるけど、前よりは怖くない気がする。」

ワイズ:「それで十分だよ。焦らなくていい。自分に正直に、少しずつ進んでいこう。」

📍「見つかる」より「近づく」でいい

「やりたいことが見つからない……」

そう感じているあなたへ。答えは、どこか遠くにあるものじゃありません。

過去を振り返り、やりたくないことを外し、小さく試してみる。その繰り返しの中で、だんだん見えてくるものです。

💡 今日からできること

  • 子どもの頃に夢中だったことを1つ思い出す
  • 「これは絶対嫌だ」と思うことを3つ書き出す
  • 気になっていたことを、小さく1つだけ試してみる

「見つかった!」じゃなくていい。「少し近づいた」が積み重なれば、それで十分です。

あなたのナゾタマも、きっと解決できますように!


📌 この記事を読んだあなたへ
→ もう少し自分を掘り下げたい:「自分って何者?と迷ったときの問いかけ

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